2013年9月8日日曜日

去年の更新から11ヶ月が経とうとしています。今年度のweb管理担当になりました横内です。今後ともよろしくお願いします。

近況報告からですが、今年の新規の入部状況は25人と近年稀に見る大入りでした。特に今年は女性の新規入部の割合が多かったように感じます。去年の女子0(これはこれで稀でしたが)からは考えられない事態。新入生の山行への積極的な参加を期待するばかりです。OBの方々から今年の夏合宿に合わせて8人用テントを寄贈も受け、装備面でさらに大規模な山行が行える体制が整ってきました。

さて、今回は84日~9(一部10日まで)にかけて涸沢で行われた夏合宿山行についても書きたいと思います。参加人数17名、56日。去年は剱沢にて夏合宿が行われましたが、それに比べると期間も人数もボリュームアップしました。また涸沢泊中全日程で複数班に分けて山行を行ったことも大きな違いと言えます。
涸沢とは言わずと知れた登山のメッカ(らしいですよ)。上高地の奥に位置し穂高連峰に囲まれた涸沢カールでは例年多くの人が集まります。それ故にかなり整備もされ、山小屋ではラーメン、カレー、炭酸飲料が普通に打っています。また近年では涸沢フェスティバルと銘打ち、ワークショップ、演奏会など様々なイベントが行われました。


4日、初日はこれまでの夜行バスから「青春18きっぷ」を使った鈍行列車行程で松本を経由、上高地に入りました。上高地までは遠足さながらのテンション。避暑地上高地といえども標高は1500mで就寝時にはシュラフいらず、気温は20℃くらいだったのではないでしょうか。ところがその夜、雨が…。晴れてくれとの思いも空しく、翌日は雨と共に涸沢を目指すことに。

2日目、できるなら使いたくないレインウェアでしたがさっそく出番が。初めての着用になった人もいたでしょう。去年剱沢を体験した僕でしたが、涸沢への行程ははるかに長く、雨も相まってなかなか厳しい往路となりました。ここにきて自身の体力不足に泣かされる事態。横尾(中間点)を過ぎたあたりで雨もやみ、無事涸沢到着。テント場にはすでに50近いテントが張ってあり、涸沢ヒュッテの小屋には幅広い客層が多く宿泊していたのには驚かされました。さすが標高2300mだけあって就寝時はダウンにフリース、シュラフで丁度よかったです。

3日目、涸沢カールにて雪上訓練。やはり朝から雨が。200mほど上がったカールの斜面でOBの指導の下、雪上訓練は行われました。全員持参のピッケルで20°程の雪の斜面を歩行、ピッケルストップはじめ、去年は行わなかったザイル(ロープ)を用いた斜面の横断、滑落の停止訓練を行いました。天気は昼を境に上高地以来の晴天に、改めて太陽のありがたみを思い知った自分でした。そういえば、残念ながら(?)今回は斜面をダイナミックに滑り落ちる人はいませんでしたね笑。帰りの際は調子づいた一部が(自身も)グリセードならぬシリセード(ワイルdなそりすべり)で斜面を滑降してゆきました。

4日目、5日目は各班に分かれ山行。4日目は晴天。涸沢を出て稜線まで出ると槍ヶ岳はもちろん、その先まで一望できました。この瞬間がやはりいい。涸沢は高い山々に囲まれている“お椀の底”なので、この時初めてその“フチ”から“外”を臨むことが出来たのです。自身は通称“ゴジラの背”のある東稜を通って北穂高岳山頂に至り、南陵から下るルートに、OB小川さんのもと1年生も2人いるパーティ(内女子1名)で臨みました。滑落防止のためのザイルワークで高度感ある尾根をつたいます。高いところ苦手なんですが。後ろからいらした年輩の3人パーティはザイルなしで通過、歳が問題なんじゃないんだなあと痛感させられました。

5日目も晴天。難関、前穂高岳北尾根には1年生の小野寺君が。自身は前日槍ヶ岳の大回りから帰ってきた班のうちの2人と共に穂高岳~奥穂高岳~前穂高岳~奥穂高岳~涸沢の行程を行くはずでした。が、私は2人と奥穂高岳で別れ、1人、あの高名な“馬の背”、“ジャンダルム”へと歩みを進め…、3分ほど歩いて帰ってきました。あの名所を間近で見ることが出来て僕は満足でしたよ!単独行動はゆっくり景色を楽しみたい自分には貴重な時間でした。その後強すぎる日差しの下、奥穂高山荘のロッジで日光浴、2時間ほどして北尾根組と合流、小野寺君の無事を確認して涸沢帰着。ちなみに前日お会いしたパーティとこの日北尾根でお会いしたそうです。なんというバイタリティ。

6日目、涸沢を出発、順調に下山し、やはり晴天の下上高地に到着。いらしたOBらに迎えられ、いきなりの乾杯、そして温泉へ。山行後の温泉のなんと気持ちいいことか。日焼けの痛さは別として。そして涸沢の涼しさを惜しみつつ上高地を後にしました。もう一泊組はここでお別れ、その後バーベキューをしたそうです。

今回の山行は前半は慣れない雨で苦しみましたが、後半は天候も回復し山の上での生活にも慣れたため、合宿としても思い出としても良いものになりました。



今回の山行記録はKAVホームページ“活動記録”に掲載しております。詳しく知りたい方はそちらをどうぞ。